ブログ

BLOG
  • トップ
  • ブログ
  • リフォーム産業フェア2026登壇レポート 地方から挑む中古戸建て再生 満席の会場で語られた、仕入れ・再生・販売のリアル

2026.08.18

リフォーム産業フェア2026登壇レポート 地方から挑む中古戸建て再生 満席の会場で語られた、仕入れ・再生・販売のリアル

2026年7月29日、東京ビッグサイトで開催された「リフォーム産業フェア2026」に、空き家買取専科を運営する株式会社Sweets Investmentの取締役・黒田淳将が登壇しました。

画像

今回のテーマは、

「『中古戸建て』の買取再販で失敗を回避せよ!先駆者が語る仕入れ・再生・改修のポイントとは?」

画像

山口県を中心に「LFB再生住宅」を展開し、九州にも事業エリアを広げる田村ビルズグループの買取再販事業部長・原田享監さんとともに、地方における中古戸建ての仕入れ、リフォーム、販売について、実際の経験をもとにお話ししました。

進行を務めてくださったのは、リフォーム産業新聞社の金子裕介編集長です。

会場は開始時には満席となり、参加者の皆さまが熱心にメモを取りながら耳を傾けてくださいました。

講演後、金子裕介編集長から、全30講座のうちチケットが売り切れたのは、私たちのセミナーとカチタスのセミナーの2講座だったと伺いました。
驚くとともに、中古戸建ての買取再販に対する関心の高さを改めて実感しました。

今回は、東京ビッグサイト全体を包んでいた熱気と、セミナーで見えてきた地方の中古戸建て再生の可能性をレポートします。

住宅・不動産業界の現在地が集まった2日間

リフォーム産業フェアは、リフォーム産業新聞社が1998年から開催している、住宅リフォーム事業者向けの専門展示会です。

第28回となる今回は、「Shaping the Future Standard―未来のスタンダードへ―」をテーマに、2026年7月29日、30日の2日間、東京ビッグサイトで開催されました。

会場には、住宅設備や建材、リノベーション商材、営業支援サービス、AIやDXに関するツールなどが並び、全国から多くの住宅・不動産関係者が訪れていました。

リフォーム産業フェアの魅力は、最新の商品やサービスを知ることができるだけではありません。

リフォーム市場の動向、人材育成、集客、営業、経営、事業承継など、業界の第一線で活躍する方々によるセミナーが数多く開催され、実践的な学びを得られることも大きな特徴です。

さらに、同じ東京ビッグサイトで「賃貸住宅フェア2026 in 東京」も同時開催されていました。

賃貸住宅フェアは、賃貸住宅のオーナー、不動産管理会社、仲介会社などを対象に、住宅設備、物件管理、資産運用、土地活用、不動産テックなどの最新情報が集まる、賃貸住宅業界最大級のイベントです。

リフォーム産業フェアが「既存住宅をどのように直し、価値を高めるのか」を考える場だとすれば、賃貸住宅フェアは「不動産をどのように管理し、活用し、収益につなげるのか」を幅広く考える場といえます。

二つのフェアを行き来することで、住宅の改修から賃貸経営、相続、土地活用、不動産テックまで、住宅・不動産業界の現在地を一度に見渡すことができました。

広い会場を歩けば、最新の建材に触れる人、サービスの説明に耳を傾ける人、セミナー会場へ急ぐ人、久しぶりに会った業界関係者と話し込む人。

単なる展示会というより、住宅・不動産に関わる人たちが学び、語り、つながる、年に一度の大きな交差点のような空間でした。

画像

会場のあちこちで語られていた「空き家の新しい出口」

今回、特に印象的だったのが、空き家や遊休不動産をテーマにした企画の多さです。

「空き家活用サミット」では、空き家問題の解決と事業成長の両立をテーマに、不動産会社、不動産オーナー、リフォーム会社、行政や自治体など、さまざまな立場に向けたセミナーが行われました。

単に空き家の活用事例を紹介するだけではありません。

空き家を地域の中でどのように循環させ、持続可能な事業として成立させるのか。より具体的で実践的な講座が開催されていました。

全国空き家対策コンソーシアム代表理事の川口哲平さんは、「2043年、4軒に1軒が空き家。『空き家先生』が読み解く中古不動産市場の今とこれから」をテーマに登壇しました。

空き家が今後どのように増えていくのか。
人口減少が進む中、中古住宅市場はどこへ向かうのか。

目の前にある一軒の空き家だけではなく、人口動態や住宅ストック全体から、これからの不動産市場を考える内容でした。

株式会社ネクスウィルの代表取締役・丸岡智幸さんは、「『訳あり』不動産の買取事業で年商1.4倍の40億円弱へ!社会的インパクト×事業成長を両立する不動産ビジネス」をテーマに登壇しました。

ネクスウィルは、空き家だけでなく、共有持分、再建築不可物件、権利関係が複雑な物件など、一般的な不動産市場では流通させることが難しい「訳あり不動産」の買取サービスを展開しています。

空き家の問題は、単に建物が古い、買い手が見つからないということだけではありません。

相続人が複数いる。
不動産の一部の持分しか所有していない。
接道や再建築に問題がある。
建物内に残置物がある。

一軒ごとに異なる事情を整理し、一般的な市場では扱いにくい不動産にも新しい出口をつくる。その取り組みは、社会課題の解決を事業の成長につなげる、新しい不動産ビジネスの形として紹介されていました。

ほかにも、空き家を店舗として活用し、地域の不動産会社が仲介の枠を超えて「町のプロデューサー」へと役割を広げる取り組みや、空き家、高架下などの遊休スペースを時間貸しで収益化する自治体との連携事例など、さまざまな実践が共有されていました。

民泊やホテルとして使う。
店舗として地域に開く。
時間貸しのスペースとして活用する。
複雑な権利関係を整理して、再び市場に流通させる。
賃貸住宅として運用する。
そして、住まいとして再生し、次の所有者へ引き継ぐ。

空き家の出口は、一つではありません。

会場の至るところで、そのことを実感する2日間でした。

空き家活用は、すでに一部の専門事業者だけが扱う特別なテーマではありません。

リフォーム、売買、賃貸経営、相続、観光、地域づくり、行政連携など、住宅・不動産業界のあらゆる分野に関係するテーマになっています。

だからこそ、きれいに改修した成功事例を知るだけではなく、複雑な課題をどのように解きほぐし、誰に、どのような形で引き継ぎ、持続可能な事業として成立させるのか。

参加者の関心は、その具体的な仕組みや実践方法へと移っているように感じました。

画像
提供:全国空き家対策コンソーシアム

満席となった「中古戸建て買取再販」のセミナー

数ある空き家関連の企画の中で、空き家や中古戸建てを「買い取り、再生し、次の住み手へ販売する」というビジネスの現実に正面から向き合ったのが、今回、黒田が登壇したセミナーです。

事業規模や販売価格帯は異なりますが、両社に共通しているのは、地域に根を張り、中古戸建ての再生を継続可能な事業として成立させていることです。

そして、今回のセミナーで最も興味深かったのは、同じ中古戸建ての買取再販で成果を上げていながら、両社の考え方や方法が驚くほど対照的だったことでした。

画像

分業で磨くか、一人が最後まで担うか

空き家買取専科では、仕入れ、加工、再販の役割を分け、それぞれの領域で専門性を高める体制をとっています。

特に事業の根幹となる「買取」に力を注ぎ、地域の不動産会社との関係づくりや案件獲得を起点に、事業を成長させてきました。

仕入れた物件は、改修と販売を担うチームへ引き継ぎます。役割を分けることで各工程の課題が見えやすくなり、それぞれの領域で改善を積み重ねることができます。

誰か一人の能力に依存するのではなく、事業のフェーズごとに専門性を磨き、チームとして一定の品質をつくる仕組みです。

一方、田村ビルズでは、一人の担当者が仕入れから現地調査、改修企画、発注、販売までを一気通貫で担当します。

自分が仕入れた物件だからこそ、どのような住まいに再生し、誰に届けたいのかという思いが生まれる。最後まで責任を持つことで、担当者の情熱や個性が商品に反映されていきます。

田村ビルズグループは、2026年3月に東京証券取引所と福岡証券取引所へ上場した企業グループです。買取再販事業では、一気通貫で案件を担う担当者が約20人在籍し、一人ひとりが仕入れから販売までを完結させています。

個人の裁量や情熱を生かしながら、組織全体では複数の担当者が事業を支える。個人の力と、上場企業グループとしての組織の厚みを両立している点が、田村ビルズの特徴だと感じました。

買取に重心を置き、工程を分けて専門性を磨いてきた空き家買取専科。

一人の担当者が最後まで担い、それを組織の規模で支える田村ビルズ。

分業と一気通貫のどちらが正しいという話ではありません。事業のフェーズや会社の強み、文化、規模、地域性によって、適した形は変わります。

まず何を事業の核として成長させるのか。その判断があり、その先に組織や仕組みの形が決まっていくのだと感じました。

画像

「きれいにする」より、誰の暮らしをつくるか

リフォームやリノベーションの考え方にも、両社の個性が表れていました。

空き家買取専科が重視しているのは、販売価格とのバランスを保ちながら、購入後の暮らしを自然に思い描ける住まいに整えることです。
すべてを高性能、高機能にするのではなく、壁紙や照明など、空間全体の印象を大きく変える部分に効果的に投資します。
必要以上に改修費をかけて販売価格を押し上げず、購入する方が、自分たちの暮らしに合わせて手を加えられる余地も残します。

一方、田村ビルズでは、新築住宅で支持されている間取りや収納、デザインのトレンドを積極的に取り入れています。
パントリーやウォークインクローゼット、造作カウンターなど、「中古住宅でも、こんな暮らしができる」と感じてもらえる商品づくりです。

一方は、引き算によって手の届きやすさと心地よさをつくる。
もう一方は、足し算によって憧れと商品価値を高める。

方法は違っても、起点にあるのは「誰が、ここで、どのように暮らすのか」という問いでした。

画像

空き家が多い場所と、住宅が売れる場所は同じではない

空き家再生には、大きな社会的意義があります。

しかし、空き家があるからといって、すべての物件を事業として再生できるわけではありません。

原田さんが強調したのは、人口動態や住宅需要を見極め、どの地域で、どの層に、どの価格帯の住宅を供給するのかを分析することの重要性でした。

どれほど丁寧に改修しても、その地域に買い手がいなければ、事業は続きません。

空き家を何とかしたいという思いだけでなく、仕入れ価格、改修原価、販売価格、地域の需要を冷静に見極めること。

その両方があって初めて、空き家再生は持続可能な地域ビジネスになります。

これは厳しい現実である一方、地域を深く知る事業者だからこそ発揮できる価値でもあります。

画像

空き家ビジネスは「クラフトビール」のように

セミナーの終盤、黒田はこれからの空き家ビジネスを「クラフトビール」に例えました。

大手のビールメーカーが、全国に安定した商品を届ける。

その一方で、それぞれの地域には、その土地の水や文化、つくり手の個性を生かしたクラフトビールがあります。

全国規模で住宅を再生し、流通させる大手企業が、市場の基盤をつくっていく。

その一方で、地域の事業者は、その土地の文化や人のつながりを生かし、一つひとつ異なる空き家の使い方を生み出していく。

空き家の出口は、再生住宅だけではありません。

宿泊施設、店舗、仕事場、交流拠点など、地域や物件によってさまざまな可能性があります。

全国どこでも同じ商品をつくるのではなく、その地域だからこそ生まれる個性があり、その個性を面白いと感じて選ぶ人がいる。

空き家再生は、100人100色の小さな挑戦が共存できる分野です。

社会課題だからと、難しい顔だけで取り組む必要はありません。

地域の未来を考えながら、つくる側も、使う側もワクワクできる事業にしていく。

この言葉が、今回のセミナー全体を象徴していたように思います。

講演後に知った「完売」

50分間のセミナーは、満席の会場で無事に終了しました。
講演中は、参加者の皆さまが熱心にメモを取り、うなずきながら話を聞いてくださっている姿が印象的でした。
終了後も、会場の外では名刺交換や情報交換が続きました。

「自社でも中古戸建ての再販に取り組みたい」
「地域は違うが、同じ課題を抱えている」
「分業と一気通貫、それぞれの考え方が参考になった」

そんな声を直接いただき、地方の中古戸建て再生に対する関心の高さを感じました。

そして講演を終えた後、今回の講座が全て売り切れたことを伺いました。しかも、もう一つ完売していたのが、買取再販業界最大手のカチタスによる講座でした。

全国規模で事業を展開する業界最大手の講座と、静岡と山口・九州を拠点とする地方企業2社の講座。

規模も、組織も、事業の進め方も異なります。

それでも、どちらの講座にも多くの方が関心を寄せていたことは、買取再販市場の広がりと、地方の中古戸建て再生への期待を表しているように感じました。

画像

来年は、ぜひ会場で

今回のセミナーで紹介された2社の方法は、決して同じではありませんでした。

仕入れ、組織、リフォーム、販売。
それぞれに異なる考え方がありました。

しかし、お互いの方法を否定するのではなく、「そのやり方も面白い」「自分たちの地域なら、どのように応用できるだろう」と学び合う空気が、会場全体に流れていました。

ウェブ上で多くの情報を得られる時代だからこそ、現場で実践している人の言葉を直接聞くことには、大きな価値があります。

新しい建材やサービスに触れる。
自分たちとは異なる考え方に出会う。
そこから、次の事業のヒントや、新しいつながりが生まれます。

リフォーム産業フェアと賃貸住宅フェアには、オンラインだけでは得られない発見と熱気があります。

中古住宅、リフォーム、空き家活用に関わっている方は、ぜひ来年、会場を訪れてみてください。

私たち空き家買取専科も静岡の現場に戻り、地域の空き家に新しい風を通し、次の住み手へつないでいく挑戦を続けていきます。

当日ご参加くださった皆さま。
田村ビルズグループの原田享監さん。
進行を務めてくださったリフォーム産業新聞社の金子裕介編集長。
そして、リフォーム産業フェアの開催に携わったすべての皆さま。
貴重な機会を、本当にありがとうございました。

今後もみなさまに情報を届けられるよう頑張ります。

画像
お問合わせ お電話
友だち追加