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2023.12.27
【空き家問題】相続した不動産の名義変更が義務化へーvol.4ー
こんにちは。空き家買取専科の三輪 です。
前回のvol.2とvol.3では、2023年4月に施行された民法改正や相続土地国庫帰属制度について一緒に学びました。
これらの法改正は、所有者不明土地(不動産登記簿により所有者が直ちに判明しない土地または所有者が判明しても連絡が取れない土地)の発生を予防し、土地の利用を円滑化するために総合的に民事基本法制を見直すものです。
今回は、所有者不明土地が生じる背景や、改正予定の相続登記制度についてまとめてみました。

もし、自分の家の隣の家が、所有者がわからない状態で空き家になり、管理されずに朽ち果て、不審者が出入りするようになったら、怖く不安な状況です。そのような事態を避けるためには、所有者不明土地にならないようにし、かつ活用しやすくすることが極めて重要です。
さらに、2024年4月には相続登記制度が見直され、所有者不明土地の発生予防が強化される予定です。所有者不明土地は国土の24%を占め、公共事業や農地の集積・集約化、復旧・復興事業、民間取引などの土地利用を妨げています。
■所有者不明土地が生じる主な原因
① 相続登記の未了
②住所等変更登記の未了
所有者不明土地が生じる主な原因は、登記簿上の所有者が死亡して相続が発生したにも関わらず、登記簿上は以前の登記名義人のままになっている「相続登記の未了」や、登記簿上の所有者の住所等が変更されたにもかかわらず、登記簿に反映されていない「住所等変更登記の未了」が挙げられます。

相続登記がされてこなかった背景
登記がされてこなかった背景には、これまで相続登記が申請義務ではなく、申請しなくても不利益を被ることがあまりなかったことが挙げられます。さらに、都市部への人口移動や人口減少・高齢化の進展により、地方を中心に土地の所有意識が希薄化し、また土地を利用したいというニーズも低下しています。
登記には登記費用だけでなく、その後の固定資産税などの負担も考慮されます。このため、費用と手続きの煩雑さから、罰則がない場合は登記を避ける人が増えてしまいます。これらの要因が相まって、相続登記が怠られることが生じていました。
現状では、ますます所有者不明土地が増加し、固定資産税の課税も難しい状況です。未登記の所有者を見つけ、登記させ、課税することも容易ではありません。
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所有者不明土地による問題
さらに、道路や公園整備などの公共事業や新規のまちづくり、再開発事業を進める際にも、未登記の土地が所有者不明となっていることが大きな課題となっています。所有者を特定するためには時間と経費がかかってしまうので、こうした事態を未然に防ぐためにも、相続時の登記を義務化し、土地の所有者を確定することが問題解決の第一歩となります。
未登記のまま相続が続くと、権利関係がますます複雑になります。相続人が複数にわたり、年月が経過するにつれて相続人の子や孫へと所有権が移行します。人数が増えると、所有者の居住地も散在し、土地の所有者を特定することが難しくなります。このような状況では、土地を購入しようとしても所有者に辿り着けないか、辿り着いても協力が得られないという問題が生じる可能性が高まります。
こうした事態を改善し、不動産登記制度の見直しを進めることが、将来的な課題の予防に資する重要な一環となっています。
■相続登記 法改正の見直しポイント
見直しポイント① 相続登記の申請義務化(令和6年4月1日施行)
相続により(遺言による場合を含む。)不動産を取得した相続人は、相続により所有権を取得したことを知った日から3年以内に相続登記の申請をしなければならないこととされました。
同様に、遺産分割協議の成立により、不動産を取得した相続人は、遺産分割協議が成立した日から3年以内に、その内容を踏まえた登記の申請をしなければなりません。なお、正当な理由がないにもかかわらず申請を怠った場合、10万円以下の過料が科される可能性があります。
正当な理由の一例として以下が挙げられます。
1. 相続登記を放置したために相続人が極めて多数に上り、戸籍謄本等の必要な資料の収集や他の相続人の把握に多くの時間を要するケース
2. 遺言の有効性や遺産の範囲等が争われているケース
3. 申請義務を負う相続人自身に重病等の事情があるケースなど

見直しポイント② 相続人申告登記(令和6年4月1日施行)
相続人申告登記とは?
相続が開始したことと、自らがその相続人であることを登記簿上の所有者に申し出る制度です。この申し出が行われると、申出をした相続人の氏名や住所などが登記されますが、持分までは登記されません。
(*権利の取得を公示するものではないため、これまでの相続登記とは性質が異なります。)
1. 上記申請を相続登記申請義務の履行期間内(3年以内)に行うことで、申請義務を履行したものとみなすことができます。(登記簿に氏名・住所が記録された相続人の申請義務のみ履行したことになります。)
2. 登記簿を見ることで相続人の氏名・住所を容易に把握することが可能になります。
3. 相続人が複数存在する場合でも特定の相続人が単独で申出することが可能です。
4. 法定相続人の範囲及び法定相続分の割合の確定が不要です。
5. 添付書面として、申出をする相続人自身が被相続人(所有権の登記名義人)の相続人であることが分かる当該相続人の戸籍謄本を提出することで足ります。
■最後に
これまで登記をしていなかった方は、ご自身でも手続きが可能ですし、証明書の収集や時間の節約を考えると、司法書士に依頼する方法もあります。
今回は、2024年4月1日に施行される相続登記の義務化について学びました。
相続登記の義務化が進むことで、所有者不明土地がどの程度減少するかは予測できませんが、土地の所有者が明確になることで安心感が生まれます。これにより、将来的には子や孫の代になった際に、相続や売却がよりスムーズに行えるようになりますね。

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