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2018.08.09
Aさんは取り立てに怯えていた。
60代の女性(Aさん)は取り立てに怯えていた。
夫の事業が失敗し、借金を背負う。
その夫も他界してしまった。
なんとかパートで生活をつなぐ。
子供は独立、別居しており頼ることもできない。
Aさんは唯一、静岡県内某市に家を持っていた。ただしこの家には1000万円の借入が残っている。
固定資産税も滞納してしまう状況。借り入れの返済に回せるお金などあるわけもなく、、。
Aさんは取り立てを恐れ、隣の市に身を隠していた。
日々の生活は苦しいが、それ以外にAさんには、この家の件で心にひっかかることがあった。
Bさんのことである。
家の借金はBさんからのもの。もともとは友人関係であった。
ただ、状況は厳しい。借り入れ返済の目途も立たない。取り立てから逃れるためには仕方がなかった。Aさんは意図的にBさんのことを考えないようにしていた。
ある日、近所の人づてで、空き家買取専科の紹介を受ける。
この会社であれば、家をそのままの形で買い取ってくれる。解体のための費用も出す必要もなく、家の中の整理もしなくていい。買主を探す時間もいらず、周囲に知られることもない。
少しでも今の生活が楽になるのであれば、、。
Aさんは話を聞いてみることにした。
査定の結果、買取価格300万。対して家の借入(抵当)は1000万。
家には抵当が残っているので、債権者(Bさん)に借り入れ分を返さない限り、自由に売ることが出来ないと知った。
Aさんは空き家買取専科に洗いざらいを話した。
借入が1000万円残っている事。生活が厳しいこと。子供の支援は受けづらいこと。
そして、Bさんとは元々友人であり、借金の件で連絡も取ることができず、不義理をしてしまっている事。
空き家買取専科は、Bさんと直接話をさせてほしいと提案をしてきた。
もう他にできることはない。Aさんは彼らに任せてみようと思った。
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Bさんにとっては、突然の連絡であった。
借入を返さないまま姿をくらませたAさんが不動産業者経由で連絡を取ってきたのだ。
Bさんにとっても1000万円は大きい。
Aさんが困っていることはわかっていたが、少しもお金が返ってこない、連絡が取れないという状況の中。債権回収会社への相談を検討していた。
空き家買取専科がBさんに話すことには、家の買取価格は300万だと。
1000万の貸し付けに対して、返済は300万。とてものめる水準ではない。他にAさんが付け足して返せるお金もなかった。
Bさんにとって、Aさんは旧友であった。かつては大きなお金も貸せる相手だった。
Aさんは本当に困っており、この金額が精一杯であることもわかっていた。
債権回収会社に債権を譲渡することもできる。ただそれをやってしまうと、Aさんは厳しい取り立てに合うことも予想された。
Bさんは空き家買取専科と話す中で、債権を500万まで減免することに同意した。
債権回収会社に譲渡しても値引きが入る。あらゆる考慮をして、このラインが最低限だとした。
空き家買取専科はAさんと再度協議。
買取の価格を400万まで引き上げること、Aさんが子供たちから支援を受け50万を確保すること。
また再度Bさんと協議をして残りの50万に対しては、分割で支払いをしていくことを同意できた。
こうして、Aさんは無事に家を売ることができ、Bさんへの債務完済の目途をつけることが出来た。
AさんはBさんに詫びた。
大きなお金を貸してくれた友人のBさんに借り入れを返さなかった。接触を絶ち、隠れた。
ずっと引っ掛かりがあったものの、見て見ぬふりをしていた。
その不義理を詫びた。
Bさんは心配していた。
友人であったAさんは生活に困っていることはわかっていたが連絡も取れなかった。
債権者という立場もあり関係が崩れてしまったと感じていた。
BさんにとってもAさんの謝罪は何年もの間待ち続けた瞬間であった。
家の売却、またこの謝罪によって、二人の関係は債権者・債務者から友人の関係に戻った。
家を一軒売るのも大変なこと。
そして今大変な家は増えています。
簡単な案件はどの不動産業者でもおおよそ扱えますが、難しいことが絡むのであれば、
そんな時は空き家買取専科にご相談ください。