ブログ

BLOG
  • トップ
  • ブログ
  • 空き家買取専科 組織作りを考える1年の取り組み(第五話 対話会スタート!)

2024.03.19

空き家買取専科 組織作りを考える1年の取り組み(第五話 対話会スタート!)

こんにちは、子育て広報の三輪です。

これまでの取り組みとして、リトリート参加や社内研修、そしてシン・ビジョンの策定などについてお話ししてきました。今回は、より時間を割いて取り組んでいる「対話会」について詳しくお伝えしていきます。

グリーン委員会

当社では、多様性を重視した組織作りを目指す「グリーン委員会」が発足し、組織文化の構築や心理的安全性に関する研修、またモニカカードを活用したコミュニケーションワークなどに取り組んでまいりました。

さらに、「気になっているけど聞けないこともあるね」「もっと対話が必要だよね」という声が上がり、そのニーズに応えるため、毎月の対話会が始まることとなりました。

画像

対話と会話の違い

ここで、対話と会話の違いについて説明したいと思います。
対話と会話は、両方とも人々がコミュニケーションを取る方法ですが、その目的や進行の仕方には違いがあります。

■会話とは?

会話は、日常的なコミュニケーションの手段であり、情報のやり取りや意見の交換、感情の表現がその主な目的です。様々な話題が取り上げられ、軽い雑談から深いテーマまで幅広く対話が行われます。会話の中で異なる意見や立場が提示されることもありますが、それが対立を生じることはありません。

対話とは?

対話は、特定のテーマに基づいて行われるコミュニケーション形式で、参加者がお互いの立場や意見の違いを理解し合い、そのズレを調整することを目指します。対話の中で、お互いの視点や感情を尊重しながら意見を交換し、異なる立場からの洞察や共通の理解を生み出すことが期待されます。参加者は、自らの行動や考え方に関する感情や価値観について率直に語り、相手との間で共通の視点や意味を見出すためのプロセスを通じて、より深い理解と連帯を築きます。

空き家買取専科的 対話会の目的と意識

私たちが対話会を行う目的は、以下のように定めました。

  • 心理的安全性を醸成し、グリーン組織に近づくため
  • 本音を言いづらい理由や心情に気づく機会を提供するため
  • 言葉に詰まるような躊躇してしまうことを打ち明ける機会を与えるため
  • 聞き手として傾聴し、言葉を受け入れる姿勢を育むため

そして対話会の意識は、このような気持ちで参加するように決めました。

  • 解決できなくても大丈夫!
  • この対話会から、スッキリするのではなく、テーマについて深く考えたり、仲間と意見交換を促進したりしていきたいな〜
  • 役職や上下関係を一旦置いて、同じ人間同士として、対等に話し合おう、聞こう!
  • 意見や考えを否定するのではなく、共感し合い、アイデアを積み重ねる時間にしたいな〜

画像

フィンランド発祥の対話形式

対話会には、「オープンダイアローグ」という対話方式を取り入れました。

「オープンダイアローグ」は、1984年にフィンランドの辺境地域で生まれた精神療法です。このアプローチでは、入院や薬の使用を最小限に抑え、「開かれた対話」によって初期の統合失調症を治療しました。驚くべきことに、投薬よりも治療効果が圧倒的に高かったと報告されています。

医学の常識が覆され、統合失調症に対するアプローチが変わってきました。2010年代以降、世界各地でこのアプローチが注目され、取り組みが進んでいます。

画像

具体的な対話の進め方は、症状が現れた際には、本人とその家族、医療関係者がすぐに集まり、24時間以内に話し合いを始めます。この対話は、症状が落ち着くまで毎日続けられます。

本人が話し合う場所を自由に選ぶことができます。自宅や病院、あるいはその他の場所での会話を選択します。また、本人が参加しない場で医師たちだけが治療方針を決定することはなく、本人が参加する場でオープンに話し合いを続けます。こうしたアプローチにより、通常2週間程度で症状が改善することがあるとされています。

この対話の手法は、精神医療に限定されるものではありません。実際、ビジネスの現場でも、「開かれた対話」が意図的に行われ、良い成果を上げていると報告されています。

オープンダイアローグとは?

オープンダイアローグは、参加者全員が平等に発言でき、異なる意見や感情を尊重し合うコミュニケーションの形式です。その主なやり方は以下の通りです。

①話し手と聞き手の話をメンバーは聴くことに集中します。

画像

▼②話し手・聞き手の話を聴いていたメンバー同士、どのように感じたのか話します。

画像

▼③ 話し手・聞き手の話を聴いて感じたことを、場全体に共有します。

画像

▼④ 話し手は、聞き手やメンバーの話を聴いて、感じたことを話します。

画像

オープンダイアローグの原則は以下のとおりです。

  1. 対話を通じて、同僚として応援・支援することが目的です。
  2. 聴くことに集中します。自分の意見や感情に囚われず、相手の言葉に真摯に耳を傾けます。
  3. 聴いた内容に対して、自分が感じたことや思ったことを率直に表現します。
  4. ゴールは明確に設定されていません。対話の時間を大切にし、共感と理解を深めることが目的です。
  5. 「話す」ことと「聴く」ことを明確に区別し、バランスを保ちながら進めます。

画像

この方法によって、オープンダイアローグは参加者同士が異なる意見や価値観を共有し合う場となります。目的は対話を継続することであり、その過程で改善が生まれやすくなります。重要なのは、アドバイスや説得、議論を行わず、また結論を出さないことです。

対話会スタート!

さて、対話会の目的と進め方が明確になったところで、いよいよ実践です。毎回、さまざまなテーマを設定し、対話会を開催してきました。

山田さんが対話会の準備を進めてくださり、私は当日までどのように進行されるのかを知らず、第一回目の対話会に参加するときは、ちょっと緊張していました。

画像

初回の対話会では、60分間の時間を確保し、テーマは「育児休暇」でした。

当社では、男性も育児休暇を100%取得することができる環境を整え、半育休制度も導入しています。一般的に、中小企業では男性が育児休暇を取得することが難しいケースが多いと考えられますが、当社では育休を単なる休暇ではなく、仕事の質を向上させる機会と捉えています。

2023年は、2人の男性社員(2021年1月に入社した鈴木さんと、2022年12月に入社した井川さん)が育休を取りました。

育休を取得した社員たちからは、その経験に対する感想や気づきが共有されました。また、育休中に対話会に参加していないスタッフが、周りのスタッフにどのように思われているかについても話し合いました。入社時期や個々の性格によって、スタッフそれぞれが異なる視点で捉えることがあることが明らかになり、対話を通じて新たな気づきが得られました。

画像

その後、対話会はどんどん進化していきます。

別の月には、以下のようなテーマで対話会を行いました。

  • テレワークや働きやすさに関する議論
  • 人事制度の見直しについての考察
  • 対話会の意義や目的についての探求
  • 今後の組織の方向性や理想についての議論

これらのテーマについて、スタッフたちが率直な意見を交換し合い、組織の方向性や改善点について深く考える機会となりました。

画像

さらに、事務所外の場所でもっと時間をかけて対話をしたいという意見がでました。そこで、月に一回は事務所を離れたっぷりと時間をとって対話を続けています。

時には、DIYをした元空き家や歴史あるお寺など、異なる場所での対話を通じて、職場での地位や役職にとらわれることなく、参加者一人ひとりが同じ立場で対話に臨むことができると感じています。

また、研修や対話を通じて、難しい用語や理論が度々出てきます。対話とは何か?ティール組織やグリーン組織、ホラクラシー組織とは何か?一度理解しても、新たな疑問が湧いてくることがよくあります。

一度で理解できることなら、理想の組織づくりもスムーズに進むかもしれませんね。しかし、わからないことがあるからこそ、勉強会を開いたり、解釈を共有したりして、スタッフ全員が一丸となって空き家買取専科の組織づくりに取り組んでいると感じます。

画像

次回は、空き家買取専科の組織づくりに大きく関わり、沖縄リトリートから参加している「ポリネ」のお二人が、静岡まで足を運んでくださり、行った研修についてお話しします。

ご相談・問合せ 電話をかける
友だち追加
友だち追加