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2023.12.25

【空き家問題】2023年4月の民法改正についてーvol.2ー

こんにちは、空き家買取専科の三輪です。

今回は、空き家に影響を与える「民法の改正」についてお話ししたいと思います。法律の理解は言葉が難しいことがありますが、一緒に学びながら、皆さんが空き家について詳しくなり、興味を持っていただけたらうれしいです。

前回は空き家問題に焦点を当てましたが、空き家の増加の背景には、人口減少だけでなく、相続関係の複雑さや所有者の不明確さも要因にあります。

そこで政府は法律を改正し、相続制度の見直しや相続登記の義務化、所有者不明土地問題の解決に取り組んでいます。まずは、2023年4月1日に施行された民法改正についてまとめていきましょう。

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■民法とは?

そもそも、民法とはなんでしょう? 学生時代に習った記憶がありますが、説明してと言われると難しいので辞書で調べてみたら、それはもっと難しかったです(笑)

民法とは
1.市民生活における市民相互の関係を規律する私法の一般法。

2.民法典のこと。

要約すると民法とは、日常生活で行う契約や財産の取引、家族関係、そして人間関係における法的なルールに関する法律のことです。

例えば、学生であれば友達とお菓子を交換したり、クラスメイトとお金を貸し借りしたりする行為も、民法に規定される法律の範疇に入ります。

民法には様々な同意がありますが、契約の成立条件や解除方法、財産の取消における規制、相続に関するルールなどが特に重要です。この法律は、個人や企業が社会生活を営む上で不可欠であり、自分自身や周りの人との関係を構築するうえで役立つものです。

2023年4月に施行された民法改正は、近年問題とされていた所有者不明土地に対する解決策として、2023年4月27日に施行される相続土地国庫帰属制度や、2024年4月から義務化される不動産登記法の改正と共に実施されました。

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■2023年4月1日民法改正

2023年4月1日の民法改正点は、以下の4点です。
●相隣関係の規定を見直し
●共有制度の見直し
●財産管理制度の見直し
●相続制度(遺産分割)の見直し

空き家関連の業務に携わる中で、所有者に限らず、空き家周辺の住民や地元の行政からの様々な声を受けることがあります。特に、行政に寄せられる苦情の中で、「隣の住居から発生する雑草や木の枝に関する問題」が顕著になっているとの報告が寄せられています。このような背景を考慮した上で、民法改正の中で相隣関係に焦点を当て、具体的な規定の見直しについて詳しく掘り下げていきます。

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●相隣関係の規定を見直し

相隣関係の規定は、隣り合う土地の所有者同士の権利に関する規定です。以前の民法では、隣の家の竹や木の根っこが侵入してきた場合、根を切ることができましたが、枝が自分の土地に侵入してきても切ることができませんでした。この規定により、枝が侵入してきた場合、所有者は隣の土地の所有者に依頼して切る必要がありました。

しかし、この規定では、隣の土地の所有者が協力的でなかったり、所有者が不明だったりする場合、枝を切ることが非常に難しい状況が生じていました。

自分の家の隣が管理されていない空き家や土地で、手入れが行われずに雑草が生え、木の枝が自分の土地に侵入してくると、日当たりが悪くなり、湿気がこもり、虫の発生などの問題が生じてしまいますね。

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改正のポイント

民法によって下記のように変更されました。

  • 頼んでも対応がない、または所有者が不明の場合などでは、越境された土地の所有者自身が切ることが可能となりました。
  • さらに、隣接する道路にはみ出して通行を妨げる木の枝に関しては、その切断が道路を所有する自治体などに許可されました。
  • また、木が生えている土地が複数の所有者に共有されている場合、各共有者は自身の裁量で切ることができ、全ての共有者の同意が必要なくなりました
  • 逆に、木が生えている土地の共有者の一人から許可を得れば、越境した隣の土地の所有者が代わりに切ることも可能となりました。

● 共有制度の見直し

以前は屋根の防水工事や舗装工事などの変更については、全員の同意が必要でしたが、改正によりちょっとした変更であれば持分の過半数の同意があればOKとなりました。

不動産の共有者に行方不明の方がいる場合、他の共有者は行方不明者の持分の時価に相当する金額を法務局に供託し、地方裁判所の決定を得れば、その持分を取得したり第三者に売却することが可能になりました。相続によって共有になった場合、相続開始から10年経過すれば利用が可能になります。

● 財産管理制度の見直し

所有者が不明または所在が分からない土地・建物や、管理が不十分な状態にある土地・建物については、利害関係者が地方裁判所に申し立てることで、その土地・建物の管理人を選任してもらうことができる制度が導入されました。

● 相続制度(遺産分割)の見直し

遺産分割は相続開始から10年経過すれば、具体的な相続分ではなく基本的に法定相続分で一律に算定されることに変更されました。

民法改正や今後の相続登記の義務化などの詳細は、法務省新制度の概要・ポイントをご覧ください。

▼お持ちの空き家を何とかしたいという方はこちら
https://akiya-kaitori.jp/owner/

 

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